アコギの単板と合板の違いは?シリーズ別の見分け方も紹介【Taylor】

ギター関連のブログ記事によく出てくる「単板」「合板」というキーワード。
 
当ブログでもテイラー(Taylor)のエントリーモデルの記事には、ほぼ100%出てくる言葉です。
 
特にテイラーについて調べていると「レイヤード」なんて言葉も見る機会があり、一体なんのこっちゃ???という状態になったりもします。
 
この記事では、「単板」「合板」「レイヤード」の違いついて解説。
 
さらにテイラーの、どのモデルが単板か合板か、その見分け方についても解説しています。
 

単板と合板の違い

 
まず、下の図を見てください。
 
 
 
 
 
 
Wood&Steel」より引用
 
左が単板右が合板です。
 
ちなみに単板は「たんばん」、合板は「ごうはん」と読みます。
 
単板は、木材を切り出した一枚の板のことを指します。
 
一方の合板は、ベニア板のように薄くスライスした木材同士を圧着させた板のことを言います。
 
テイラーに限らず、どのギターメーカーも単板は上位モデルに、合板は下位モデルに使用されることが多いです。
 

単板

 
一般的に単板のギターは、スペック表に「Solid」と表記されています。
 
テイラーの場合、単板にはSolidの表記はありません。
 
表記がない=単板
 
と覚えておけばOKです。
 

合板

 
テイラーは、合板を一貫して「レイヤード」と呼称しています。
 
その理由は、中間材にポプラを使用しているから。
 
 
 
 
 
 
Wood&Steel」より引用
 
一般的な合板のアコギ(エレアコ)は、中間材に木材ではない合成素材を使用しています。
 
テイラーでは、そうした合成素材ではなく、れっきとした木材(ポプラ)を使用していることをアピールするため「レイヤード」という言葉を使用しています。
 
レイヤードを使用したギターのスペック表には、必ず「Layered」と記載しているので比較的、容易に見分けることができます。
 
例:Layerd Rosewood、Layerd Koa など
 
一方、他メーカーでは合板であることを隠すためなのか、全く記載をしていない場合が多いので注意が必要です。
 

単板と合板のメリット・デメリット

 
単板と合板には、それぞれメリットとデメリットがあります。
 
単板 合板
メリット
①一枚板なので弦の振動を素直に伝えられる。
②弾き込むほどサウンドに深みが増す。
①材同士を重ねている分、剛性が高い。
②製造コストが安く済む。
デメリット
①合板に比べて剛性が低い。
②製造コストが高い。
①単板に比べて鳴りが弱い。
②弾き込んでもサウンドに変化がない。
 
大きな違いは、サウンドと剛性になります。
 
サウンド面では、単板の方が弦の振動を素直に伝えることでき、鳴りが良いです。
 
合板だと、ギターを始めたばかりの頃は気になりませんが、耳が肥えてくると鳴りの部分で物足りなさを感じてしまいます。
 
さらに、単板は弾き込むほどにサウンドに深みが増していきます。
 
これは材に振動を与え続けることで、材の細胞が変化し、より振動しやすくなるからです。
 
合板だと、この変化は非常に少ないです。
 
一方、剛性に関しては合板に優位性があります。
 
単板は材の繊維が一方向なので、“曲げ”や“ねじれ”といった外部からかかる力に弱い性質があります。
 
合板は、材の繊維を互い違いに組んでいることから、外部からの力や湿度に耐えやすい性質となっています。
 
このことから、初めてアコギを買う人には、剛性のある合板モデルの方が扱いやすいと言えます。
 

Taylorのトップはすべて“単板”

 
テイラーのギターは、すべてのモデルのトップに単板を使用しています。
 
つまり、単板か合板かはサイド&バックの話しです。
 
先述したように、「レイヤード」の記載があるものが合板記載のないものは単板です。
 

Taylorはシリーズで見分けられる

 
冒頭でも言及しましたが、テイラーのギターは上位シリーズと下位シリーズで単板・合板を見分けることができます。
 
具体的には以下の一覧です。
 
単板
  1. American Dream Series
  2. GT Series
  3. 300 Series
  4. 400 Series
  5. 500 Series
  6. 600 Series
  7. 700 Series
  8. 800 Series
  9. 900 Series
  10. Presentation Series
 
合板
  1. Baby Series
  2. GS Mini Series
  3. Academy Series
  4. 100 Series
  5. 200 Series
 
ちなみに、この振り分けはアメリカ製メキシコ製かという違いでもあります。
 

「プライ」と「ピース」の違いについて

 
先述したように、合板(レイヤード)は複数の板を重ねて圧着させた材ですが、これを「プライウッド」(plywood)と呼び、板の枚数によって3プライ(3ply)や5プライ(5ply)と数えます。
 
テイラーの場合は、合板はすべて3プライとなります。
 
一方、単板(ソリッド)はまっさらな一枚板というわけではなく、下の画像のように左右対称の板をつなぎ合わせています。
 
 
これを「2ピース」(ツー・ピース)と呼びます。
 
2枚の板を横につなぎ合わせているので2ピースです。
 
つまり・・・
 
プライ = 板面同士を重ね合わせたもの
ピース = 板の断面をつなぎ合わせたもの
 
ということになります。
 

Taylorはすべて2ピースというわけではない

 
ここで注意点があります。
 
基本的にテイラーのバック面は2ピースですが、同じ型番のモデルでも個体によっては3ピースのものも存在します。
 
ある程度、ギターの知識がある人はここで違和感を抱くと思います。
 
例えば、マーチン(Martin)の代表的なモデル「D-28」のバックは2ピースです。
 
一方で「D-35」というモデルは3ピースです。
 
ピース数の違いでモデル名が変わります。
 
これは、2ピースか3ピースかでサウンドが変化したことによりモデルを分けた、という比較的有名な経緯があります。
 
繰り返しになりますが、テイラーの場合は2ピースか3ピースかという違いでモデル名を分けていません。
 
それだと同じモデルでもサウンドが違うものが存在するということか、と言うと、そうでもないらしいです。(ごめんなさい、断定はできないです。)
 
知り合いの楽器店員曰く「2ピースでも3ピースでも同じサウンドになるように、個体ごとに職人が微調整している」とのことです。
 
とは言え、2ピースと3ピースが混在するのは一部のモデルに限られています。
 
テイラーは個体差の少ないメーカーと言われてはいますが、同じ2ピースでもサウンドに微妙な違いはありますので、ピース数で選ぶというよりも自身の好みの音で選ぶのが一番だと思います。
 

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