初心者向けのクリップ式チューナーと言えばYAMAHA(ヤマハ)の「YTC5」とKORG(コルグ)の「Pitchclip 2」の2モデルが知られた存在です。
どちらも必要最低限の機能に絞ったシンプルな操作性が魅力ですが・・・
コストダウンのために削った機能が多すぎて、上達する頃には不満点がたくさん見えてきます。
今回、紹介するKORGの「Pitchclip 2+」は初心者向けながら、中級者〜上級者が使っても満足できるモデルです。
はじめに言っておきますが、初心者の人は最初からこれを買ったほうがいいです。
この記事では、同じKORGの「Pitchclip 2」と比較しながら、「Pitchclip 2+」の優位性を紹介していきます。
- 音名表記はすべて大文字
- 基準ピッチが変更できる
- 上下・左右にクビが振れる
- ディスプレイの表示を反転できる
- フラット・チューニングできない
Pitchclip 2+の概要
KORGの「Pitchclip 2+」はクリップ式のクロマチック・チューナーです。
Pitchclip 2+ | |
サイズ | W51×D24×H38 mm |
重量 | 19g |
電源 | ボタン電池(CR2032) |
ピッチ検出 | ピエゾ |
測定精度 | ±1セント / ±0.1セント |
対応周波数 | 436 – 445Hz |
測定モード | クロマチック |
実売価格 | 2,500円 |
カラーバリエーションは「ブラック」の1色のみ。
本体の材質はプラスチックで、安っぽさはあるものの、作りはしっかりとした印象。
サイズはW51×D24×H38mmで、本体よりもクリップの存在感が大きいです。
重量はメーカー公表値で19gと、一般的なチューナーよりも軽量。
参考に他のクリップ式チューナーの重量は以下のとおりです。
- TC Electronic「Polytune Clip」: 32g
- BOSS「TU-10」: 45g
- YAMAHA「YTC5」: 28g
駆動はボタン電池(CR29032)が1個で、本体購入時に同梱されています。
電池寿命は連続使用で約18時間と、長めなのが嬉しいですね。
クリップ部は最大27mm開くので、ほとんどのギターヘッドに装着可能。
クリップの内側は蛇腹のラバーがぐるっと配置されているので、大切なギターを傷つける心配はありません。
Pitchclip 2+の使い方
本体には全部で2つのボタンが付いています。
- 電源ON/OFF。長押しで電源を入れると表示が反転する。
- 短く押すごとにメーター・ディスプレイが設定できる。
- 長押しで基準ピッチの変更ができる。
ポン
測定モードは「クロマチック」のみですが、普通に使う分には問題ありません。
メーター・ディスプレイは以下の3種類が用意されています。
レギュラー | : |
測定精度±1セント。通常はこのモードを使用します。 |
ストロボ | : |
測定精度±0.1セント。レコーディング時などは、このモードがおすすめ。 |
ハーフ・ストロボ | : | 測定精度±0.1セント。ストロボとメーターの表示が異なる。 |
基準ピッチ(キャリブレーション)は436〜445Hzの間で設定できます。
「5(445Hz)」「6(436Hz)」と中途半端な数字で区切られているので、注意が必要です。
各弦の音名表記はハッキリして見やすいです。
チューニングが合うと、真ん中のメーターが青色になり、両サイドのランプが2回点滅します。
メーター・ディスプレイ:レギュラー
Pitchclip 2+をレビュー
まず、僕の評価は・・・
初心者向けなら、これ一択。
クロマチック・モードのみの初心者向けモデルですが、ストロボ・チューニングもできるので、ピッチにシビアな中級者〜上級者にもおすすめできるモデルです。
メーターの迷いも少ないので、サクッとチューニングできるのもメリット。
その他の「Pitchclip 2+」の特徴は以下のとおりです。
尚、ここからは下位モデルの「Pitchclip 2」と比較しながらレビューしていきます。
音名表記がすべて大文字
使い方でも紹介しましたが「Pitchclip 2+」の音名表記はすべて大文字です。
一方の「Pitchclip 2」は「D」と「B」が小文字です。
KORG「Pitchclip 2」
視認性の高さは圧倒的に「Pitchclip 2+」に軍配が上がります。
クビが上下・左右に振れる
「Pitchclip 2+」の可動部は上下に120度、左右に60度回転でき、見やすい位置に調節することができます。
下位モデルの「PitchClip 2」は上下120度のみです。
クリップの取り付け位置が限定されないという意味でも「Pitchclip 2+」のほうが使いやすいです。
ヘッドの表裏どちらにも取り付けできる
ここは「Pitchclip 2」と共通の仕様ですが・・・
ディスプレイの表示を上下で選ぶことができます。
使いやすさやシーンによって付け替えることができます。
しかし、表示を反転させるためには、一度電源を切って1秒以上長押ししないといけません。
下位モデル「Pitchclip 2」との比較表
上記で紹介した機能の他にも「Pitchclip 2」との違いはいくつかあります。
Pitchclip 2 |
Pitchclip 2+ |
---|---|
メーターのLED数 | |
7 ピッチが多少ズレていても真ん中で点灯する。 |
17 ピッチのズレを細かく確認できる。 |
音名表記 | |
E / A / d / G / b / E 4弦と2弦が小文字なので、見間違いやすい。 |
E / A / D / G / B / E すべて大文字なので、見やすい。 |
測定精度 | |
±1セント レギュラーモードのみ。 |
±0.1セント ストロボモード / ハーフ・ストロボモードが追加され、より高精度なチューニングが可能。 |
基準ピッチ範囲 | |
440Hz バンド形態での演奏時は注意が必要。 |
436 – 445Hz 一般的なバンド形態での演奏なら、ほぼ対応可能な範囲。 |
クビ振り | |
前後 前後に120度のみ。 |
前後 / 左右 前後120度に加え、左右に60度ずつ首振りが可能。より見やすい角度に調節できる。 |
価格差は1,000円程度ですが、使い勝手の良さでは圧倒的に「Pitchclip 2+」がおすすめです。
買うならネット通販一択
「Pitchclip 2+」のメーカー希望小売価格はオープンです。
実店舗の販売価格は約2,750円。
ネット通販なら最安値で約1,700円から手に入れることができます。(サウンドハウス)
買うならネット通販一択です。
実際に買った人の評価は?
実際に「Pitchclip 2+」を購入した人の「良い評価」と「悪い評価」を集めてみました。
【良い評価TOP3】
- 測定精度が高い
- ディスプレイが見やすい
- レスポンスが早い
【悪い評価TOP3】
- 着脱時に電池のフタが外れる
- ディスプレイが見にくい
- 価格が高い
全体的に「良い評価」の方が圧倒的に多かったです。
「良い評価」と「悪い評価」でディスプレイの視認性について意見が真っ二つに分かれていますが、見やすいと答えている人のほうが多いです。
「悪い評価」で気になった「着脱時に電池のフタが外れる」に関しては、何度も着脱してみましたが再現できませんでした。
もしかしたらフタの閉め方が甘いのでは?と思います。
まとめ
「Pitchclip 2+」はシンプルな操作性と視認性の高いディスプレイ表示が魅力的なモデルです。
下位モデルの「Pitchclip 2」をおすすめするブログが多く散見されますが、僕はあえて上位モデルのこちらを強くおすすめします。
この記事がチューナー選びの参考になれば幸いです。