世界で一番有名なカポと言っても過言ではないシャブ(SHUBB)社のカポタスト、通称、シャブカポ。
クリップ式やゴム式のカポと違い、ネジ式でネックの締め具合を調整できる機能が人気の理由のひとつです。
今回は、そんなシャブカポの種類や使い方から他のメーカーのカポとの違いなど、様々な視点からレビューしていこうと思います。
- 弦の締め具合を微調節できる
- 上からでも下からでも取り付け可能
- ネット通販なら2,000円台で手に入る
- ヘッドに固定できない
- 曲中に転調できない
種類が結構ある
シャブカポには、いろんな種類があります。
品番によって対象の楽器や用途が異なるので注意が必要です。
品番 | 用途 |
C-1 | 6弦のアコースティックギター |
C-2 | クラシックギター |
C-3 | 12弦のアコースティックギター |
C-4 | エレキギター |
C-5 | バンジョー |
C-6 | ドブロ・ギター |
C-7 | 5-4-3弦だけを押さえる |
C-8 | 5-4-3-2-1弦だけを押さえる |
今回は、上記の中で最もポピュラーな、アコースティックギター用の「C-1」についてレビューしていきます。
C-1にも種類がある
上記の品番違いとは別に、「C-1」にもいくつか種類があります。
C-1 | ニッケルメッキ |
C-1B | ブラス |
C-1G | ゴールド |
C-1K | ブラッククローム |
C-1N | ブラッシュドニッケル |
型番の後ろに付くアルファベットは本体のカラーを表しています。
ちなみに僕がメインで使用しているのはゴールドの「C-1G」です。
基本的には色違いなのですが、注意が必要なのがC-1Bのみ本体仕様が異なること。
一見すると同じに見えますが、アクションレバーと呼ばれる部品がC-1Gはプラスチック製のローラーになっており、C-1Bはゴム(デルリンキャップ)になっています。
デルリンキャップ仕様は1980年に発売した当時のオリジナル。
ローラー仕様は取り外しが容易になるように改良されたもので、こちらが現行モデルとなります。
オリジナルが好みの人のために、C-1Bだけは旧仕様のまま残しているそうです。
この辺りに顧客中心主義が見て取れるのは好印象ですね。
ポン
付け方や使い方
C-1の取り付け方は、黒いラバー(長い方)と短い方をネックに挟んで、アクションレバーを押し込みます。
「SHUBB公式HP」より引用
取り付けた画像が以下の通り。
ここでポイントなのが、
弦の締め具合を自分で調節できることです。
ネックの裏側にネジがあり、左右に回すことで締めたり緩めたりできます。
これなら、最初に緩めた状態で挟んで、弦がビビらない程度に締めることで音程の狂いを最小限に抑えることができます。
上から付けるか?下から付けるか?
シャブカポは上から(6弦側)付ける人と、下から(1弦側)付ける人がいます。
正解は「どちらでもいい」です。
と言っても、僕の周りや他のブログを見る限り、上から付ける派が多い印象・・・。
ちなみに僕は下から付ける派です。
下からの方がスムーズに取り付けできますが、付けにくいと言う人もいます。
この辺りは好みの問題なので、深くは言及しませんが・・・
あえて言うなら、取り外しが楽です。
ギターのネックを握っている左手の親指をそのままアクションレバーにかけて外すだけ。
そうすることで本体が自然と手のひらに収まります。
スムーズかつスマート。
カイザーのカポタストと比較してみた
シャブカポ「C-1」と同じくらいの知名度を誇るのがカイザー(Kyser)のカポタスト「KG6」です。
カイザー「KG6」はクリップ式のカポタスト。
ワンタッチで取り付けできることからステージ上での使用率が高いです。
重さ
素材は、シャブカポ「C-1」がブラス、カイザーカポ「KG6」はアルミニウムです。
そのためシャブカポ「C-1」のほうが約9グラム重くなっています。
と言っても、ずっしりという程ではないので、どちらも軽い印象です。
サイズ
カイザーカポ「KG6」は取手の出っ張りがある分、存在感があります。
一方、シャブカポ「C-1」はスッキリしています。
後ろからも見てみましょう。
こちらはカイザーカポ「KG6」の方がシンプルですが、やはり前面の出っ張りの方に目がいってしまう・・・。
個人的な好みとしてはシャブカポ「C-1」に軍配が上がります。
ちなみに、クリップ式のカポタストで見た目の良さを重視する人にはタリアカポがおすすめです。
高級カポタスト「タリアカポ」をレビュー!使い心地は?他のカポと何が違う?徹底比較!
ここはデメリットかも・・・
基本的にはカポタストとしてのメリットがたくさんあるシャブカポ「C-1」ですが、デメリットと言える部分もあります。
ヘッドに固定できない
上記で紹介したようなクリップ式のカポタストは、ギターのヘッドに挟んで固定することができますが、シャブカポ「C-1」はできません。
ステージ上で使用する場合はポケットに仕舞うことになります。
曲中に転調できない
シャブカポ「C-1」はアクションレバーの操作によってフレットを移動させるため、曲中の転調には向きません。
転調系の曲を多用する人には、クリップ式かグラインダーカポの使用をおすすめします。
買うならネット通販一択!
シャブカポ「C-1」のメーカー希望小売価格は、種類にもよりますが4,070〜4,950円です。
店頭売価は3,000円台です。
ネット通販なら、2,000円台で手に入れることができます。
買うならネット通販一択です。
交換パーツもネット通販で買える
シャブカポ「C-1」はブラス製なので衝撃や熱に強く、何十年にも渡って使うことができる耐久性を誇ります。
しかし弦を抑えるラバーは、経年劣化でボロボロになってしまいます。
そんな時のために、ラバーは別売りで購入可能。
古くなれば本体ごと買い替えたほうが手っ取り早い気もしますが、何年も同じものを使い続けたいという人はラバーを交換しながら使用しています。
また、旧仕様のデルリンキャップも単体で販売しています。
素材違いの姉妹品もあり
シャブカポ「C-1」には、同じ形で素材違いの姉妹品があります。
S-1
「S-1」は素材にステンレスを採用したモデルです。
ステンレスは腐食や傷に対する耐性があり、見た目の美しさを保ちます。
Sシリーズのカラーは1色展開、アクションレバーはローラー仕様のみとなっています。
L-1
「L-1」はアルミニウム素材です。
アルミニウムは軽量が売り。
メーカー公表の重量は「C-1」の約半分です。
尚、Lシリーズのアクションレバーは旧仕様のみとなります。
まとめ
以上のことから、シャブカポ「C-1」の主な特徴をおさらいすると・・・
- 弦の締め具合を微調節できる
- 上からでも下からでも取り付け可能
- ネット通販なら1000円台で手に入る
- ヘッドに固定できない
- 曲中に転調できない
正直、上記メリットに比べればデメリットは大したことはないです。
世の中には様々なカポタストが出回っていますが、コンパクトかつ取り回しの良さで比べるとシャブカポ「C-1」は群を抜く存在です。
初心者の場合、これ1個もっておけば間違いないので、どのカポを買おうか迷っている人にはおすすめです。