カポタストと言えば、Shubb(シャブ)の「C-1」やKyser(カイザー)の「KG6」が有名です。
そんな中、ここ数年、話題になっているのがThalia Capos(タリア・カポ)というメーカーのカポタスト。
以前から気になっていたので、物は試しと買ってみました。
購入したのは、Taylor(テイラー)ギターのライセンスモデルです。
タリアカポは日本でも普通に入手できますが、テイラーのライセンスモデルは日本未発売だったので、公式オンラインショップを通じてアメリカから取り寄せました。
通常の商品との違いは、マテリアル部分にテイラーネックと同じインレイがはめ込まれ、金属部分に「Taylor」のロゴマークが刻まれていること。
それ以外は、通常の商品と同じ仕様になっています。
今回はこのカポタストの細かいスペックや使い心地をレビューしていきます。
タリアカポとは
タリアカポはアメリカに拠点を置く、ギターのアクセサリーを製造するメーカーです。
主力アイテムは、社名にもある通りカポタスト。
前面にトーンウッドやシェルなどのマテリアルを装飾した豪華な造りとなっており、数あるカポの中でも高級カポと言われています。
また、テイラーをはじめマーチン(Martin)やギブソン(Gibson)などギターメーカーとのコラボレーションも積極的に行っており、ライセンス商品が多数あります。
TAYLOR 600 SERIES WINGSをレビュー
今回、購入したカポタストはテイラーの600シリーズのインレイが入った「TAYLOR 600 SERIES WINGS」です。
使われてるマテリアルは、テイラーの指板と同じエボニー。
つまり僕が所有する614ceに、このカポをはめることでギターと同化しているように見える!というわけです。
ところが・・・
同じ600シリーズなのに、インレイが違う・・・。
実は、僕の614ceはビルダーズ・エディション(Builder’s Edition)で、同じ600シリーズでもインレイが違うのです。
買う前にちゃんと確認すべきでした・・・。
なので、テイラーのビルダーズ・エディションを所有する人は要注意です。
では、気を取り直して、実際にカポタストをレビューしていきます。
タリアカポの最大の特徴は、弦を押さえるフレットパットにあります。
ギターの指板は、メーカーごとにアール形状が異なります。
一般的なカポタストは指板を押さえるラバーが固定されており、指板のアール形状と合っていないため、ピッチのズレが生じてしまいます。
一方、タリアカポは全てのカポタストにアール形状の違う7種類のフレットパットを付属。
ほぼ全ての指板に対応できるので、ピッチのズレを最小限に抑えることがきます。
フレットパッドのサイズは「スタンダード」と「XL」の2種類が同梱されており、好みに合わせて付け替えることができます。
写真の上段が「スタンダード」、下段が「XL」です。
スタンダードは一般的なネック用、XLは薄型ネック用となります。
パットの裏には0〜16番の7種類のナンバーが振られており、同梱のリストで手持ちのギターにあった形状を見つけることができます。
テイラーの場合は15番のパットを使用します。
各メーカーごとのパッドのナンバーは三木楽器のHPから参照することも可能です。
サイズ感について
タリアカポのサイズ感は、以下のとおりです。
比較対象としてシャブの「C-1」とカイザーの「KG6」を用意しました。
タリアカポは3つの中では2番目に大きいです。
カイザーはグリップが前に出ている分、存在感があり、タリアカポとシャブカポの前面はスッキリとしています。
並べてみた印象として、タリアカポはラバーがむき出しにならないため、安っぽく見えないところが好印象です。
裏側はシャブカポとカイザーの方がスッキリしています。
重量について
タリアカポを最初に手にとった印象は「めっちゃ重い!」です。
実際に計ってみると・・・
94グラムありました。
ちなみに、シャブカポは51グラム、カイザーは42グラムでした。
タリアカポをはめた状態でギターを抱えてみると、明らかに重心が左寄りになるのを感じます。
実は、カポタストの重量はギターの音色に影響すると言われています。
軽い方が低音の響きを邪魔しないそうですが、実際に弾き比べてみても大きな違いは感じられませんでした。
タリアカポ、上から着けるか?下から着けるか?
もろ岩○俊二的な見出しですが、スルーしてください。笑
ギタリストの永遠のテーマである「カポを上から着けるか、下から着けるか」問題ですが、タリアカポの場合はメーカーHP等で見る限り下から着けることを推奨しているようです。
実際に今回購入したものも、下から着けることでインレイの向きが揃います。
こうすることでフレット間の移動もスムーズ。
ところが、日本語のレビューを検索してみると、上から着けている写真が散見されます。
試しに上から着けてみましたが、これがまた着けにくい・・・。
ただし、装着した後に、なんとなく答えが分かりました。
プレイヤー目線でカポを見てみると、上から装着した方がスッキリして見えます。
見た目を重視する人は上から着けた方がいいと思います。
僕は下から派ですね。
フレット間移動が多いので。
価格や日本での入手方法は?
今回の「TAYLOR 600 SERIES WINGS」は日本未発売のモデルのため、タリアカポの公式オンラインストアで購入しました。
購入金額は95ドル、日本円で約1万400円でした。
送料は6.45ドル、日本円で約710円かかるので、トータルで1万1100円ほどです。
本国アメリカからの輸入で、注文から手元に届くのに約3週間も待ちました。
日本での入手方法
タリアカポのプロパーモデルに関しては、この記事の冒頭にも書いたとおり、日本の楽器店やネット通販で入可能です。
国内では大阪の三木楽器が輸入代理店になっているようです。
販売価格は1万円前後で、Amazonや楽天市場、
Yahoo!ショッピングでも購入可能です。
まとめ
タリアカポは数あるカポタストの中でもトップクラスに高級感があります。
その分、価格も高いのがネックですが、日本ではまだまだ知る人ぞ知る存在です。
人前で演奏する機会がある人にとっては、他のプレイヤーとの差別化にもなりますし、とにかく目立ちます。
僕は、もっぱらフィンガースタイルのソロ・ギターばかり弾いていますが、曲ごとにカポタストの位置を片手で変えられることにメリットを感じました。
ギターを複数本所有していて、金銭的に余裕のある人なら、ギターの本数分のカポタストを買うというのもアリかと思います。