はじめてギターを買う人が一緒に購入するものと言えばチューナーです。
ネット社会全盛の今、数あるチューナーの中で「どれを買えばいいか分からない」という悩みを抱える初心者もいるかと思います。
そんな人におすすめなのがYAMAHA(ヤマハ)の「YTC5」です。
日本人に馴染みのあるYAMAHAブランドが実勢1,300円と手頃な値段で買えるとあって、初心者が最初に使うチューナーの代表格です。
かく言う僕も、初めて買ったチューナーがこれ。
この記事では「YTC5」の機能や使い方、他のチューナーとの違いについてレビューしていきます。
- シンプルな操作性
- 対応周波数は440Hz固定
- 1,000円台で買える安さ
- クビがヘタりやすい
- 視認性が低い
YTC5の概要
YAMAHAの「YTC5」は初心者向けのクリップ式チューナーです。
YTC5 | |
サイズ | W56×D31×H32 mm |
重量 | 28g |
電源 | リチウム電池(CR2032) |
ピッチ検出 | ピエゾ |
測定精度 | ±0.5セント |
対応周波数 | 440Hz |
測定モード | クロマチック / ギター / ウクレレ / ベース |
実売価格 | 約1,300円 |
カラーバリエーションは「ブラック」の1色のみ。
サイズはW56×D31×H32mmで、一般的なクリップ式チューナーと同じくらいです。
重量はメーカー公表値で28gで、一般的なチューナーよりも少し軽め。
参考に他のメジャーなチューナーの重量は以下のとおり。
- TC Electronic「Polytune Clip」:32g
- BOSS「TU-10」:45g
- KORG「Pitchclip2+」:19g
駆動はボタン電池のCR2032です。
一般的にクリップ式チューナーのほとんどはCR2032を使用しているので、覚えていたほうがいいですね。
ちなみに、バッテリーボックスの蓋はコインで開けるタイプ。
電池交換の度に硬貨を用意しないといけないのは面倒ですね・・・。
クリップの開口部は最大で22.5mmひらくので、ほとんどのギターヘッドに装着可能。
内側にラバーが貼られているので、大切なギターを傷つける心配は少ないです。
YTC5の使い方
「YTC5」は弦を弾いた時の振動で音を測定する「ピエゾ式」という検出方法を採用しています。
ピエゾ式は外部の音の影響を受けにくいので、音楽スタジオやライブハウスなど騒がしい場所でも気軽にチューニングできるのが特徴です。
本体にはボタンが1つ付いていて、押すごとにモードが切り替わる仕様となっています。
① パワー | : |
2秒間押し続けると電源ON。電源が入った状態で3秒押し続けるとOFFになる。 |
② モード | : |
電源が入った状態で押すごとに測定モードが「CHROMA」「GUITAR」「UKULELE」「BASS」と切り替わる。 |
ポン
測定モードは「クロマチック」「ギター」「ウクレレ」「ベース」の順に切り替えができます。
デフォルトの設定では「クロマチック」になっていますが、大体はこれでまかなえます。
チューニングがぴったり合うと、画面全体がグリーンに光ります。
この仕様は嬉しいですね。
YTC5をレビュー
まず、僕の結論としては・・・
はじめてのチューナーならこれでOK!のちのち不満点が見えてきたら、即、買い換える。
僕が「YTC5」を買ったのは、ギターをはじめて1年目の時。
その時はシンプルで使いやすく重宝していましたが、初心者向けということもあり、2年目で別のチューナーに買い替えました。
ただ、機能を絞ることで初心者に寄り添ったチューナーであることには変わりはないです。
その点を考慮した上で「YTC5」の特徴を挙げると以下の通り。
対応周波数は440Hzのみ
周波数とは、音の波が1秒間に振動する回数のこと。
一般的なチューナーは、この周波数を変えることができますが「YTC5」はできません。
「YTC5」は440Hz(ヘルツ)に固定されています。
初心者が知らずに周波数をいじって変更しないように配慮していると思われます。
基本的にバンド演奏やアコギの弾き語りなどは440Hzなので、変更する必要はないですが・・・
クラシックギターや管楽器とのセッションには441Hzや442Hzが用いられるので、その場合は「YTC5」は使えません。
この仕様はメリットでもありデメリットでもあります。
フラットチューニングには非対応
フラットチューニングとは、スタンダードチューニング(E/A/D/G/B/E)よりも半音下げたチューニングのこと。
半音下げることにより、弦のテンションが緩くなり押弦しやすくなるメリットがあります。
プロのアーティストでも半音下げでカポを1フレットに付けて演奏するほど、そこそこメジャーなチューニング方法です。
一般的なチューナーには、フラットモードが搭載されていて、安易に半音チューニングできます。
BOSS「TU-10」の場合、1半音〜5半音まで設定可能。
しかし「YTC5」はフラットモードは非搭載です。
これも初心者が知らずに設定を変えないようにとの配慮だと思われます。
クビ折れが発生する
ここが一番の不満点です。
長期間、使い続けているとクビ(赤丸の部分)がヘタって固定できなくなります。
僕の場合、1年も経たずにクビ折れが発生しました。
個体差はあるかと思いますが、長期間の使用には向いていません。
この経験から、僕はクビのない「TU-10」や「PW-CT-12」を愛用しています。
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価格について
「YTC5」のメーカー希望小売価格は1,650円です。
実店舗の販売価格も同じくらい。
ネット通販なら約1,300円で手に入れることができます。
あくまで初心者向けなので、なるたけ安く買うことをおすすめします。
まとめ
「YTC5」は価格の面とYAMAHAのブランド力で“売れるチューナー”のひとつであることは間違いないです。
測定精度に関しても、高精度なものになるほど価格も上がるため、1,000円台という値段を考えれば初心者には必要十分だと思います。
ただし、クビ折れのリスクを考えると長期間は使えないので、最初から高価格帯のチューナーを買ったほうがコスパは高いです。
自身の使用スタイルに合わせて購入することをおすすめします。