数あるテイラー(Taylor)ギターの中で最も売れていると言われるのが214ceです。

「taylorguitars.com」より引用
214ceにはローズウッド(Rosewood)とコア(Koa)の2モデルがありますが、ローズウッドには、さらに3つのモデルが存在します。
- 214ce Rosewood
- 214ce Rosewood Plus
- 214ce Rosewood DLX
通常の214ce Rosewoodに加え、型番の後ろにPlus(プラス)やDLX(デラックス)という記載のあるモデルがあります。
これらのモデルは一体、何が違うのか?
今回は、214ceの3モデルの特徴や違いについて深堀りしていきます。
各214ceの共通スペック
まず、3モデルに共通するスペックは以下の表の通りです。
尚、ここからは型番の文字数を減らすため「Rosewood」の記載は省略しています。
214ce / 214ce Plus / 214ce DLX |
ボディ・シェイプ | グランド・オーディトリアム |
トップ材 | シトカ・スプルース |
サイド&バック材 | レイヤード・インディアン・ローズウッド |
フレットボード材 | エボニー |
ブレーシング | X(エックス) |
ピックアップ | ES2 |
共に、ボディ・シェイプはテイラーで一番人気のグランド・オーディトリアム、通称GAを採用。
トップ材にシトカ・スプルース、サイド&バック材に合板のインディアン・ローズウッドという組み合わせも同じです。
違いはここから!
前提として、3モデルのグレードは下記の順で上がっていきます。
214ce → 214ce Plus → 214ce DLX
このグレードの差が何なのかを解説していきます。
各モデルの違いを一覧にまとめました。
214ce |
214ce Plus |
214ce DLX |
---|---|---|
ボディ・フィニッシュ | ||
サテン |
グロス |
グロス |
バインディング | ||
ホワイト |
ブラック |
ホワイト |
ロゼッタ | ||
スリー |
スリー |
シングル |
ネック材 | ||
マホガニー |
マホガニー |
サペリ |
フレットボード・インレイ | ||
ドット |
ドット |
ダイアモンド |
ペグ | ||
ダイキャスト・クローム |
ニッケル |
ポリッシュ・ブロンズ |
ケース | ||
ギグバッグ |
エアロケース |
ハードケース |
ボディ・フィニッシュ
フィニッシュとは、ボディの最終工程の仕上げのこと。
214ceはツヤ消しのサテン仕上げ、214ce Plusと214ce DLXはツヤありのグロス仕上げとなっています。
一般的に、ギター業界ではサテンよりもグロスの方が上という認識が強く、どのメーカーも廉価モデルにはサテンが使用されています。
214ce Plusと214ce DLXは「ワンランク上」という意味でグロス仕上げになっていると推測されます。
確かに、サテンよりもグロスの方が見た目の高級感はありますね。
ただ、サテンはグロスと比べてサラっとしたさわり心地が魅力のひとつです。
そのため、グロスよりもサテンが好きというファンもいます。
バインディング
バインディングとは、ボディの角に沿って接着された“縁”(ふち)のこと。
214ceと214ce DLXはホワイト、214ce Plusはブラックのバインディングが採用されています。
ブラックはボディ全体が締まった印象を受けます。
ホワイトは伝統的なアコースティックギターという印象ですね。
これに関しては好みの問題と言えます。
ロゼッタ
ロゼッタとは、サウンドホール周りの装飾のこと。
214ceと214ce Plusはリングが3つ、214ce DLXはリングが1つとなっています。
共に素材はプラスチックですが、214ce DLXはシルバー色で高級感の演出に一役買っています。
この辺りの違いも好みの問題ですが、他の人と被りにくいという意味では214ce DLXの方が被る率は低いです。
ネック材
214ceと214ce Plusはトロピカル・マホガニー、214ce DLXはサペリという材が採用されています。
マホガニーネックはテイラーでは定番となっていて、強度の面でも問題ありません。
サペリネックは、BabyシリーズやGS Miniシリーズの一部モデルでしか採用されておらず情報が少ないですが、他メーカーでも採用されているので強度は問題ないと思われます。
おそらく、214ce DLXにマホネックを使うと価格が上がりすぎるためサペリにしているのだと推測されます。
握った感覚は、3モデルともテイラーらしい薄く握り込みやすい形状。
ちなみにナット幅は3モデルとも42.9mmのナローネックが採用されています。
フレットボード・インレイ
フレットボードのインレイにも違いがあります。
214ceと214ce Plusは直径4mmのシンプルなドット、214ce DLXはダイアモンド型となっています。
サウンドに影響はありませんが、高級感があるのはやはり214ce DLXです。
ペグ
ペグに関しては、3モデルともギヤ比1:18のものが使われています。
ギヤ比とは、弦が巻きつけてあるポストを一回転させるのに必要なボタン(つまみ)の回転数です。
つまり、3モデルともボタンを18回まわせば、ポストが一回転するということ。
他にも、1:15や1:21などペグの種類によってギヤ比は様々ありますが、1:18はテイラーではスタンダードなギヤ比です。
ギヤ比は同じですが、素材が違います。
214ceはプレーンなダイキャスト・クローム。
214ce Plusはテイラーロゴが入ったニッケル。
214ce DLXはテイラーロゴの入ったポリッシュ・ブロンズ。
グレードが上がるほど素材も剛性の高いものになっています。
ケース
本体の違いではないですが、付属のケースにも違いがあります。
214ceはギグバッグ、214ce Plusはエアロケース、214ce DLXはハードケースです。
これもグレードが上がるごとに頑丈なものが付属しています。
ただ、ハードケースは取手しか付いていないので、持ち運びは手持ちになります。
ギグバッグとエアロケースはショルダーが付いているので、背負える&軽いというメリットがあります。
尚、3つとも別売りしているので、ケースだけ買い換えることも可能です。
価格差は結構ある・・・
当然ですが、グレードが上がれば価格もあがります。
メーカー希望小売価格 | 実売参考価格 | |
214ce RW | ¥209,000 | ¥167,200 |
214ce RW Plus | ¥269,500 | ¥215,600 |
214ce RW DLX | ¥313,500 | ¥250,800 |
214ceと比較して、214ce Plusは48,400円、214ce DLXなら83,600円のベースアップです。
この辺りは予算の都合も考えなければいけないですが、個人的な最適解は・・・下の章でまとめています。
【まとめ】結局、どれがいいのか?
214ceはテイラーのエントリーモデルとして人気ですが、個人的な経験として、上達すれば300番台以降の上位モデルが欲しくなります。
それを踏まえた上で、200シリーズへの出費は10万円台に収めたいところ。
よって、僕の最適解は「214ce」の一択です。
214ce Plusとの比較ポイントはボディ・フィニッシュをサテンにするかグロスにするか。
この辺りは実際に弾き比べてみて、好みで選ぶのがいいと思います。
214ce DLXに関しては、サウンド面での違いというよりはビジュアル面でのグレードアップが中心なので、予算に余裕があり他人と被りたくない人にはピッタリだと思います。
とは言え、やはり価格が20万円を超えるので、それならば思い切って300シリーズの314ceを狙う方がいいかもしれません。
Taylorの214ceと314ceはどちらがおすすめ?そもそも何が違う?これを読めば解決!