初心者に限らず、テイラー(Taylor)のギターを初めて買う人が必ずと言っていいほど思うことが・・・
種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない!
ではないでしょうか。
実際、僕もそうでした。
特に迷ったのが“ボディ・シェイプ”、いわゆるギターのボディ形状の違いでした。
テイラーのギターには大きく分けて6つのボディ・シェイプがあり、それぞれ特徴的な形をしています。
この記事では、それらの特徴などを解説&考察。
テイラーギター選びの参考にしてみてください。
Taylorのボディ・シェイプの基本
冒頭で説明した通り、テイラーには6つのボディ・シェイプがあります。
下の表は各ボディ・シェイプの幅や長さをまとめたものです。
それぞれ微妙に数値が違うことが分かります。
この形状の違いがサウンドや演奏性の違いを生んでいます。
サイズ感の違い
上記の表だけでは大きさの違いが分かりにくいので、輪郭を重ねたものが下記の図になります。
「Wood&Steel」より引用
数値よりもこちらの方がサイズ感の違いを比較しやすいかと思います。
次の章では、サイズの小さい順にそれぞれの特徴を説明していきます。
各ボディ・シェイプの特徴
ここからは各ボディ・シェイプの特徴を解説しています。
グランド・シアター(GT)
こちらは2020年に誕生したグランド・シアター(Grand Theater)、通称GTです。
型番の末尾は「1」となっています。(例 : GT811e)
GTはテイラーのボディ・シェイプで最も小さく、ミニギターとフル・ボディの中間のサイズ感です。
サイズは小さいですが、フル・ボディと同等のサウンドを聴かせることができ、ベビー・テイラーのようなミニギターでは物足りないという人におすすめのシェイプとなっています。
グランド・コンサート(CG)
こちらは、フルボディの中で一番小さいグランド・コンサート(Grand Concert)です。
通称、GCと呼ばれ、型番の末尾は「2」となっています。(例 : 812ce)
GAでは少し大きいと感じる女性や小柄な男性に人気のサイズで、ボディの厚みもGAと比べて浅めになっています。
その分、身体に引き寄せることができるので、弾きやすく感じることができます。
演奏スタイルでは、特にフィンガー・ピッキングをする人に選ばれる形状です。
ちなみに、グランド・コンサートという名称は、本来、マーチン(Martin)の「00(ダブルオー)」の愛称です。
テイラーは、00と同じサイズ感のボディ・シェイプとして1984年にこのグランド・コンサートを発表。
形状自体はオリジナルで、2004年に大きく再設計されたものが現在販売しているシェイプとなります。
グランド・オーディトリアム(GA)
こちらは1994年に誕生したテイラーのオリジナル・シェイプであるグランド・オーディトリアム(Grand Auditorium)です。
通称、GAと呼ばれ、型番の末尾が「4」になっていれば、このボディ・シェイプになります。(例 : 814ce)
特徴は、大き過ぎず小さ過ぎず、フィンガーピッキングからフラットピックによるストロークまで幅広いプレイに対応していること。
ボディ・シェイプ別の売上では一番人気の形状で、これがテイラーの基本形状と覚えておけばOKです!
初めてテイラーを買う人には、これがオススメです。
グランド・パシフィック(GP)
こちらは2019年に誕生したグランド・パシフィック(Grand Pacific)です。
通称、GPと呼ばれ、型番の末尾は「7」となっています。(例 : 717e)
GPは言わばアコギの定番シェイプであるドレッドノートのテイラー版です。
元々、テイラーは1974年の創業時からマーチンのドレッドノートのコピーモデルを製造してきましたが、2019年にこのGPが新たなドレッドノートとして定番化。
ドレッドノートらしい倍音が効いていて、低音域と高音域が前面に出てくるボリュームのあるサウンドになっています。
サイズはGAと比べて少し大きめですが、マーチンのドレッドノートと比べると厚みが薄いのでコンパクトに感じます。
伝統的なアコギサウンドが好みの人にはこちらがオススメです。
グランド・シンフォニー(GS)
こちらは2006年に発表されたグランド・シンフォニー(Grand Symphony)、通称GSです。
型番の末尾は「6」となっています。(例 : 816ce)
GAよりもお尻が大きく、音量を稼ぎたい人に人気のシェイプです。
最大の特徴は、カッタウェイ部に空いている穴。
「taylorguitars.com」より引用
これは「サウンドポート」と言って、2020年のリニューアル時に誕生した、もうひつのサウンドホールです。
サウンドホールが2つあるギターは昔から存在していましたが、そのほとんどはボディの側面に付いていました。
テイラーでは、カッタウェイ部に2つめのサウンドホールを設けることで、ステレオ・スピーカーのような広がりのあるサウンドを実現。
これによりフィンガー・ピッキングなどの繊細なタッチでも、十分、聴き手に届くサウンドになりました。
グランド・オーケストラ(GO)
テイラーのボディ・シェイプで一番大きいサイズが、このグランド・オーケストラ(Grand Orchestra)です。
通称GOと呼ばれ、型番の末尾は「8」となっています。(例 : 818e)
このシェイプは、テイラーが創業時から製造していたジャンボの再設計版です。
抱えてみると、そのサイズ感に圧倒されますが、大きい分、ストロークした時のパンチ力や倍音の響きはテイラー随一!
同じジャンボ・ボディでは、ギブソンやギルドが歴史的にも先行していますが、サウンドそのものはテイラーも引けを取っていません。
ジャンボサイズのギターを探している人は、是非、このギターを試奏してみてください。
まとめ
冒頭でも言及しましたが、ボディ・シェイプはサウンドの違いだけでなく、抱えた時の演奏性にも影響を与えます。
自分が弾きやすいと感じたサイズを選ぶのが一番いいのではないしょうか。
また、ギター選びには、ボディ・シェイプだけでなく木材の種類も重要になってきます。
それについては「あなたにピッタリのTaylorは?-木材編-」という記事で詳しく紹介していますので、是非、見てみてください。
この記事が理想の一本に出合うきっかけとなれば幸いです。